まあ、自分で振ったから、ね。一応。
11月11日ですね。ポッキーの日ですか?
それはともかく。
その、1(金)の夜、仕事だったけど、明けて2(土)の明け方4時くらいに、父からPHSに電話が入る。
「おばあちゃんの様子がおかしいから」と。
それから電話を気にしつつ仕事を終える。終わったら朝イチで帰るか、と思いつつ。
そして家に帰り、どうしたもんか、と考えながら支度をしていると、再び父から電話。8時15分頃。
「…おばあちゃん逝っちゃったよ。8時13分。」
はい。
すぐに支度して、出ます。
すぐ後に弟からも電話が来て、話して、支度することとかどのくらいに着きそう、とか話して、切る。
次にバイト先のMGRに電話をして、話し、3日くらい休むことを告げる。
それから支度して家を出て、電車の中では、バイト先の私の穴を埋めるために、複数の人とひたすらメールをして過ぎる。
地元の駅で弟と合流し、家に着く。
「おばあちゃんに会ってきなよ」
電話で聞いたときも、電車に乗ってる間も、全然実感できなくて、
想像できなくて、
でも
目の前の、動かないおばあちゃんを最初に見た瞬間の感情の振れ幅。
いやだね、役者って、こういうときもそういうこと考えちゃう。
久々に心がぐわっと動く感触。
こういう感じ。
と、頭の片隅で思ってしまう。
おばあちゃんは、とてもいい顔をしていた。
とても、とても、いい顔だった。笑顔に見えた。
ちょっと前に病院で見た苦しそうなおばあちゃん。
もう、楽になったんだね。
よかったね。
ごめんね。
ごめんね。
額に触れて、その冷たさにまた哀しくなる。
親族で誰かが亡くなる、のがかなり久しぶりで、
そして、両親と弟の次に、一番近くて大切で大好きだったのが、おばあちゃんだった。
母方のおばあちゃんで、母と、あと二人おばさんがいるけど、どちらもちょっと遠くに住んでいるので、
車で20分で行ける距離に住んでいるうちの家族が、一番おばあちゃんと触れ合っていた、と思っている。
だから、久々に会う従妹たちとも、子供の頃は一緒に夏休みに泊まりに来たりしたけど、
おばあちゃんと一番近かったのは、ウチの姉弟だ、と思っている。
そうして、バタバタといろんなことの準備が進んでいく。
近所の、親類の人らがいっぱい来て、もう誰が誰だかわからないけど、
お茶出してと言われるたびに人数分出し、
ことが動いていく。
田舎のお葬式は大変だ。
しかもどうもうちのほうは、大仰にやるところらしい。
おまけに、お坊さんがお話が長い。でも有難いことで、お通夜のとき、お坊さん自ら、涙を拭っていらした。
かなりお寺さんとは縁が深かったらしく、それは、有難いことだ、と思う。
棺に入ったおばあちゃんが家から出ていったとき。
葬儀場で、保冷されているおばあちゃんを見るとき。
ふたにくぎを打つとき。
本当に、本当に、最期の姿を見送るとき。
あっけなく、ほねになってしまうのだね。
2日前に亡くなったというのに。
こう手際よく、箱に入るかたちになってしまうのだね。
私の両親が、位牌を持ち、遺影を持ち、
その後は遺骨を持ち、
その姿は、本当に淋しい。
淋しいね。
おばあちゃんにはごめんねとつぶやいてばかりだ。
ありがとう、といえばいいのに、
どうしてもごめんねがでてしまう。
やっぱり花嫁衣裳は見せてあげたかったよね。
ごめんね。こんな孫で。
もう1週間経ったのだな。
早いな。
舞台の稽古で、セリフが、今までと違う風に受取れてしまう。
記憶は、ぽろぽろこぼれてしまうからね。
そして、最大の懸念の四十九日が、本番日とぶち当たっている件。
さっき親から電話で、ジャストにどん被る日程を言われた。
キタ−−−−−−−−−−−−−−−−。
ごめん、と事情を話し、またお坊さんと話してみる、と。
ほんとすまないと思うけど、本番日と被るなら、行けない。
ここで、今日の記事から一言。
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今日の仕事が自分にとって揺るぎない現実であり主戦場なのだ、と腹にすえて働けるか。
唯一無二のプロフェッショナルとして安定的に稼げるようになれるか否かの分かれ道だと思う。
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端っこの、ちっぽけな役者もどきだけど、
それでも、役者、だというからには。
本番に穴をあけない。
にしよう、と思った。
おばあちゃん。
ごめんね。
でも、一番大切な儀式は全部しっかり見たよ。
どこからでも、おばあちゃんを想っているよ。
見ていてね。